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「マイクオフ」問題について謝罪する伊藤信太郎環境相=2024年7月17日午前10時6分、新潟市中央区、井上充昌撮影
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 伊藤信太郎環境相が17日、新潟市内で新潟水俣病の被害者らと懇談した。高齢化が進む被害者の訴えに耳を傾けた伊藤氏は、裁判に頼らない新しい解決方法について話し合うと約束した一方、健康調査の実施時期などには言及しなかった。

 伊藤氏との懇談を終え、国などに損害賠償を求める新潟での訴訟の原告団長を務める皆川栄一さん(81)は報道各社の取材に「大臣とお会いできたことは意味があった」と振り返り、「高齢化がどんどん進む中、一日も早い解決を望んでいる。次の話し合いに期待したい」と語った。

 皆川さんが手応えを感じたのは、この日の懇談で焦点になった、早期解決への「新しい解決方法」についてだった。皆川さんによると今年6月、要望活動の一環で伊藤氏と面会した。その際に「新しい解決方法を見つけていく」と伊藤氏が話したという。皆川さんが懇談で「どういうことをいうのか」と尋ねると、伊藤氏は「懇談を重ねることで新しい解決方法を共同で練り上げる可能性があるということ。今日もそのステージだ」と応じた。

健康調査の時期は明示せず

 これを受け、新潟訴訟原告団の酢山省三事務局長は「現存する解決策ではないと単純に理解する」として、公害健康被害補償法(公健法)に基づく認定基準の見直し▽水俣病被害者救済法(特措法)の受け付け再開▽新しい立法措置、の三つを例示して「どういうイメージか」と迫った。伊藤氏は「苦しまれている方はいろんな立場があり、解決方法も一通りではない。三つの選択肢以外にもあるのではないかと考えている」と話し、具体策については言及しなかった。酢山氏が、8月にも始まる実務者協議で新しい解決方法を検討するかを問うと、伊藤氏は当初「テーマ、話題は限定していない」としていたが、やりとりを重ねた後には協議での「重要な課題の一つ」と明言した。

 一方で、「ゼロ回答」とも言…

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